ロコモティブシンドロームとは

ロコモティブシンドローム(通称:ロコモ、運動器症候群)は、加齢や病気(骨粗しょう症、変形性関節症、関節リウマチ、脊柱管狭窄症など)により、骨、筋肉、関節、腱、神経などの運動器に障害が生じることから、介護を要する、あるいは寝たきりになるリスクが高い状態を指します。

運動習慣がなく加齢により足腰が弱まった場合、移動機能(立つ、座る、歩行など)が低下しやすく、ロコモティブシンドロームのリスクが高まるため、注意が必要です。

なお、ロコモティブシンドロームは60代から注意すれば良いと考えがちですが、実は40代の5人に1人がロコモ予備群とされているため、早めの対策が重要です。

一番大切なことは、ロコモティブシンドロームは予防することができ、一度ロコモの状態になってしまってもリハビリテーションなどの対策することで改善することができます。

ロコモティブシンドロームは「フレイル」「サルコペニア」といった状況とも繋がり、身体の筋肉量と筋力を維持することで、介護が必要な状態や将来の寝たきりを防ぐことができます。

ロコチェックとは

健康寿命を伸ばしたい方、運動が苦手で早期にロコモと診断されそうで心配な方は、一度「ロコチェック」(日本整形外科学会:ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト参照)を試してみましょう。移動機能の状態を確認するためのチェックリストで、以下の7項目のうち1つでも該当する場合は、ロコモティブシンドロームまたはその予備群の可能性があります。

  • 片脚立ちで靴下がはけない
  • 家の中でつまずいたりすべったりする
  • 階段を上るのに手すりが必要である
  • 家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難
  • 2㎏程度の買い物(1リットルの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難
  • 15分くらい続けて歩くことができない
  • 横断歩道を青信号で渡りきれない

ロコチェックの他に、公式サイトでは「ロコモ度テスト」も紹介されています。下肢筋力を調べる「立ち上がりテスト」、歩幅を調べる「2ステップテスト」、身体の状態や生活状況を調べる「ロコモ25」があります。これらのテストで該当する項目があれば、移動機能の低下が始まっている可能性があるので、早めにご受診ください。

ロコモまたは予備群と診断された場合、リハビリテーションとして理学療法(運動療法)を行います。また、日常生活の習慣改善も行っていきます。

こどもロコモとは

加齢や病気により運動器の機能が低下することが大人のロコモですが、近年スマホ・ゲームの普及や、外で遊ぶことが少なくなった子どもたちの身体に異変が起きています。最近では学校での運動器健診で年々子どもたちの身体の柔軟性や、バランス力が低下していることが指摘され、子どものうちから身体の使い方をしっかり身につけられないことによって大きなけがをしやすくなってしまいます。

また生涯の骨密度は思春期までに決まってしまうため、栄養過多・運動不足も問題ですが、ダイエットによる低栄養・痩せすぎも骨密度が十分増えず、骨粗鬆症予備軍になってしまいます。

こどもロコモチェック(準備中)

  • 片脚立ちがふらつかずに5秒以上できない
  • しゃがみ込めない(途中で止まる、踵が上がる、うしろに転ぶ)
  • 肩が垂直に上がらない
  • 体の前屈で指が床につかない

上記が当てはまるお子さんには、自宅での自主筋肉トレーニング方法など改善に向けた指導も行っておりますので一度ご相談ください。